墓参り兼紅葉見物①

ジィをひきとってから、この時期に毎年かかさないイベントがある。

それは、ジィの友達K氏の墓参りだ。

といっても墓に行く訳ではない。10年ほど前、北茨城の山の斜面でK氏が首を吊って自殺した場所へ、線香と花を手向けに行くのだ。自殺する前の晩にジィと酒を飲んでいたらしく、その酒席で自殺をほのめかしていたという。取り違えだらけのボケたジィの記憶の中で、今だにそれを鮮明に憶えているということは、友達の自殺をとめられなかった罪悪感をまだ持ち続けているのだろう。

ということで、いざK氏の墓参りへ。

ここ数年、①日の出前に家を出発②日の出とともに線香をあげ③観光客で道が混雑する9時前に帰り支度というパターンが定着していて、今年も朝5時前の出発となった。

行きの車中で繰り返される話しは、K氏の自殺の理由について。適当に相づちを打ちながら、借金、病気、老い、孤独、希望の無い人生、どれも他人事では無いょなぁ・・・と、しみじみ思ったりして。

それでも、私個人的には、自分に与えられた時間を自ら捨ててしまうなんてしない。だって嫌でもいつかは死ぬんだし終わりがくるのだ。そんなに急がなくても。

生きていられる時間を捨ててしまうなんてもったいない。

まぁいわば、貧乏性でして・・・。