墓参りも無事に終わり、時計に目をやるとまだ9時前だ。思ったより道も空いていたのでバンジージャンプで有名な龍神大吊橋へ寄ってみることにした。
警備員に誘導されるがまま大きな駐車場に車をとめ、人の流れに沿って吊橋へと歩き始めた。橋までは5分~歩くらしい。
ジィに私の前を歩くよう促したが、「道が分からないからお前の後ろをついていく」と言う。それもそうだなと前を歩くことにした。
意外とキツい坂である。
3分ほど経っただろうか。大丈夫かしら?と後ろを振り返ると・・・
居ない!ジィがどこにも居ないのだ!
よく「目を離した数分の間に行方不明」とか聞くけど、こんな感じなんだろな(冷汗
ま、まずい!どこへ行きやがった?
慌てて来た道を戻ると、居た!数十メートル離れた場所に、見知らぬ若者達と談笑するジィの姿を発見!何やらしきりにあちこち指を差している。まもなく若者達はどこかへ去って行った。
何度か大声でジィを呼ぶと気づいた様子で、ゆっくりこちらへ歩いてきた。二度とはぐれないよう言い聞かせながら吊橋へつづく坂道を上る。
私「そういや、さっき、若い人達と何を話してたの?」
ジィ「道を聞かれたから、教えてやったんだ。」
私「??? いやだって、そもそもこの辺の道、知らないじゃん。何を聞かれてどう教えたの?」
ジィ「むこうが聞くから。俺は教えてやったんだ!」
聞けば聞くほど要領を得ない回答、しまいにはキレだす始末。
あたりを見渡すも、時すでに遅し。若者達の姿はどこにもみあたらず。
やっちまったな。若者達よ、許してくれ。
迷っていないことを願うばかりである。