ミステリー

何やら廊下に得たいの知れない丸い球体が落ちている。

私:「なんだこれ・・・虫か?」

と、近づいて驚愕!

ウンコだ!紛れもなくウンコ!

その謎を解明すべく、ジィの部屋をノックした。

私:「ジィ、これどうした?」

ジィ:「なにが?」

私:「なんでここにウンコ?」※ウンコを指さしながら

ジィ:「知らないっ!ウンコじゃない!お前だろっ!!!」※ぶち切れる

 

もう勝てる気がしない。押し黙る私。

後始末しながらも、どうやってソレはここに来たのだろうか?と考えれば考えるほど、謎が謎を呼ぶミステリーだ。

うんこミステリー。

そろそろオムツかな・・・

2回目の徘徊

仕事を終え家に帰るとジィの姿がない。どうやら散歩に出て行ったきりらしい。外は暗くなりはじめていた。

慌ててPCからジィの携帯をGPSで検索してみると△町4丁目の半径1kmの位置を指していた。つかジィが携帯を持っていればの話しだが。

リアルタイムでジィの動きを追えるよう、ポケットWi-FiとPCを車の助手席に乗せ、いざ出発。

捜索開始から1時間後、GPSの位置が変化していないことに気づく。

それが指し示すのは、

①ジィがその場所から微動だにしない=しんでる?

②GPSが機能してない=基地局を指してる?

のどちらかだ。

AUのサポートセンターに電話してみる。

私:「携帯位置検索のGPSが全く変化しないようですが?」

オペ:「通信障害の影響で、大変申し訳ありません。」

私:「 通信障害 なら、GPSが基地局を指してしまっている可能性は?△町4丁目 に基地局ってありますか?」

すると、2分ほど待たされたあとで、

オペ:「基地局の位置は把握しておりません。」

私:「そうですか、分かりました。」

電話を切った後・・・

いやちょっと待て。基地局も把握してないって本気かおぃ。

長年に渡りAU贔屓だが、初めて”解約”の文字が頭をよぎった瞬間。

まもなくして警察から、無事にジィが発見されたとの連絡が入る。

警察署でジィは「俺は別に道に迷ったわけではない」の一点張りで糞ジジィっぷり全開だったが、まぁ、とにく無事に見つかって良かった。

ホッとしすぎて、どっと疲れて、今日はもうお酒でも飲んでだな、明日もまた頑張りますか。

初めてのデイサービス

今日は、ケアマネさんが紹介してくれた施設にて、いよいよ体験入所の日。

ハンカチとポケットティッシュ、歯磨きセットに割れないコップや着替えをリュックに詰め、ジィを送り出す。

最近のジィは妄想が激しく、話す内容の半分は真実だが半分はガセだ。まともに聞いているとこちらの頭がおかしくなってくるほどの超とんでも話しを唐突にぶっこんでくる。なので、他の利用者さんとトラブルになるのでは?と思い、いつ何時でも引き取りに行けるよう家でスタンバっていた。

が・・・

そんな心配をよそに、なにごともなくご帰還。

私:「どうだった?」

ジィ:「いや~面白かった。明日も行くのか?」※満面の笑み

あとでケアマネさんに聞いたところ、他の利用者さんと仲良く過ごしていたそうだ。

杞憂に終わりましたとさ。めでたしめでたし。

介護認定その③

ケアマネさん訪問の日。

どんな人が来るのかな?と、ちょっとドキドキ。

ピンポーン!

ドアを開けると、なんともやさしそうなケアマネさん。話し方も、こちらが心配になるくらいゆっくりまったりで、ニコニコいやし系女子か。これから長い付き合いになるし、一安心。

まず、ケアマネさんと契約書を交わした後、あれこれ相談しながら今後の「ケアプラン」を決める。

実際に通うことになるデイサービスの施設は、ケアマネさんが所属している施設でなくても良いらしく、もし合わなかったら施設の変更も出来るとのこと。なので、初回の体験入所は近所の小規模施設を選択した。

作成した「ケアプラン」の役所への提出は、ケアマネさんがしてくれるらしい。

なので、あとは体験入所を待つのみだ。

どうなることやら・・・

介護認定その②

役所でもらった「介護事業所一覧」から施設を選ぶにあたり、悩みに悩んだが、結局どこが良いかなんて検討もつかない。とりあえず一番大きな施設を選択し電話をかけてみる。

電話口にて介護認定の程度や現在の状況をあれこれ聞かれた後、担当のケアマネージャが決定。今後、そのケアマネさんが定期的に訪問してくれることになるらしい。

早速「ケアプラン」を作成するため訪問してくださるとのこと。

いよいよ本格的な介護が始まる。

介護認定その①

これまでの流れ・・・

①、ジィがアルツハイマーとの診断を受ける。

②、市役所の福祉課窓口へ介護認定の相談に行く。

③、自宅に調査員が来て、あれこれ聴取される。

④、介護認定決定通知書と介護保険証が郵送されてくる。

⑤、④に同封されていた居住地域の「居宅介護支援事業所一覧」から介護事業所を選んで契約する。

↑ 今ここ

で、これからまだ手続きがあって、

⑥契約した事業所に「ケアプランの作成」を依頼

⑦「居宅サービス計画作成依頼届出書」なるものを、役所の福祉課に提出

しなければならないんですと。

みんなこんな面倒な手続きを得て介護してるんだなと思うと、ただただ感心するばかりである。

知らないことだらけで先が思いやられますな。どうなることやら・・・

家、ついて行ってイイですか?

若い頃、NASDA(現JAXA)にお勤めだったという父親が晩年ボケてしまい、介護を通して親子の距離を縮められたという息子さんが出演されていた。状況はちと違うが自身にも通ずるところがあって涙腺崩壊。テレ東かしら?良い番組だな。

「どんなに立派な人生を歩んだとしてもやがては老いて、最期は皆、同じように」的なことを出演していた息子さん(だったかな?)が話していたが、かの遠藤周作氏もエッセイでそれと似たような事を何度も書いてたな、そういえば。

10代前半から独り暮らし・・・そんな生活が長かった私は、親と住むのも最初は戸惑った。今は随分慣れたものだが、ちょっとしたことでイラッとして高嶋ちさ子ばりの暴言を吐いたりもする。親子だから「まぁ許せ」と思うのだが、その反面、”親しき仲にも礼儀あり”だなと反省しきり。おそらく「誰かしらが側に居る」ということに慣れ過ぎて、その幸せに甘んじている現状だ。

番組の終盤で、亡き父を偲んですすり泣く息子が映し出された。

近い将来、私もそうなるかな?

介護はいつか必ず終わりが来る。

必ず終わってしまうことを、肝に銘じておこう。

アルツハイマー

認知症との診断を受け、より詳しい検査を受けた結果、ジィはどうやらアルツハイマー型らしい。

それも、いまいま始まったことでは無いとのこと。5年前にジィを私が引き取る時にすでに発症していたとすれば、セルフネグレクトや人格崩壊?はその影響だったのだろうか?思い当たることだらけで妙に納得。

MRIの画像を診ると、右脳の一部がブラックホールみたいになっていた。欠損してんのか?とにかく右脳の一部分が真っ黒だ。簡単な図形すら描けなくなってしまったのはコレが原因なのかな。加えて脳の萎縮が顕著な上に脳動脈瘤らしき所見もあるため更に検査が必要とのことで総合病院の脳外科に紹介状を書いていただいた。

ちなみにこのMRI、いろいろな設定?があるらしく・・・
CTのように水が黒で脳が灰色に見える「T1強調画像」、それを白黒逆転させた「T2強調画像」、脳梗塞をわかりやすくした「フレアー画像」、新しい病巣を写す「拡散強調画像」など。一般的に新しい脳梗塞や脳浮腫は「T1強調画像」では黒っぽく、そのほかの撮り方では白っぽく見えるんだって。むず。

デジカメも各々癖がある様に、医療機器もメーカーによっておそらく違うだろうから、例えば東芝と日立では同じような設定をしても写り方に差が出るなんてこともあるんじゃないかしら?そこは長年の経験と知識、コンピュータによる画像解析を参考にしながらプロは診断するのでしょうけど・・・いずれにせよ素人が画像を見て分かるものでは無いっぽい。

とりあえず今は症状が悪化しないよう、血圧コントロールと日々の声かけに務めるとしよう。

ジィ、物忘れ外来へ行く①

ちゃんとした専門医に診てもらわな・・と思い、昨年予約しておいた物忘れ外来、いよいよ当日。

受付を終え、こじんまりした面接室に通されると、ケースワーカーに過去から現在までのアレコレを事細かく聞かれまくる。

が、なにせ自由気ままに生きて来たジィ。その複雑な経歴を聞きながら電子カルテへまとめるのも一苦労、かなりテンパってる様子。エンターキーにも力が入る。

ひと通り「取り調べ」を終え、本題である認知症の検査へ。

5年前にジィを引き取った際にも認知症の検査に立ち会っているが、こんな細かいテストだったかな?驚いてしまった。

テストが終わるとジィだけが面接室を出され、そして、私だけにテストの結果を説明してくれた。

ケースワーカー:「このあと医師の診察がありますが、この点数だと認知症に間違いないと思います。」

私「ですょね。」

ケースワーカー: 「介護申請されては?」

私「そうします。」

そしてケースワーカーに今までを労うかのような言葉を頂く。患者だけでなく家族にも寄り添ってくれようとするその姿勢。なんだかな、グッとくる。

深々と頭を下げて面接室を後にした。

ジィ、物忘れ外来へ行く②

親切な医師で、とても丁寧に時間をかけて診てくれた。それもその筈、初診の場合は1時間あまり予約枠を取っているとのこと。ありがたい限りである。

そして医師の診断は・・・

やはり認知症

おそらくだいぶ前から症状があったのでは?ということで、次回、MRI検査の予約をして終了となった。

病院を出たところでジィが仕切りに「良い病院だよなぁ。落ち着く。みんな良い人だなぁ。良い病院だなぁ。」を連発。大絶賛である。

家に帰ってバァにその旨を報告すると、

バァ:「そのまま病院に置いてくればよかったのに(笑」

私:(^^;

笑うしかない。