整形外科の待合室にて・・・
待合室のソファは1席ずつ間隔を空けた状態でほぼ満席。夕方の混み始めた時間帯にそのおばさんはやってきた。
入り口の自動扉がすっと開き現れたのは、推定40歳代のヒョロッとしたおばさん。
玄関先のタブレット式温度計測器にヒョロおばさんがおでこを当てたその時である。『ピーッ、ピーッ、ピーッ』けたたましい警告音が鳴り響いた。
『そんなはずないわょ!』と計測器に向かって烈火の如く怒り出すヒョロおばさん。待合室に居た患者ほぼ全員、そちら側へと視線を向ける。
ところがヒョロおばさん、他人の視線など屁とも思っていない様子。平然と診察券を受付箱に入れて待合室のソファに腰を下ろした。
まじか?普通は帰るよな?(心の声)
あまりの堂々たるヒョロおばさんの態度に、あれ?アタシが気にしすぎとか?ちょっとした錯覚に陥る。
と、そこへ慌てて中年の看護師Aがやってきた。
看護師A:『○○さん、今日は注射よね?』
どうやらヒョロおばさん、常連の患者さんらしい。
看護師A:『お熱があるようなので、もう一度測りなおしましょう。』
看護師Aがヒョロおばさんのおでこに体温計を当てた。
看護師A:『37.6 ℃ ありますね。今日はちょっと(汗』
ヒョロおばさん:『大丈夫よ!』
何事もなかったように居座り続けるヒョロおばさん。
そして5分後、別の若い看護師Bがやってきて、ヒョロおばさんのおでこに体温計を当てた。
看護師B:『37.6℃、やっぱり熱がありますよ。』
ヒョロおばさん:『なんでもないから!大丈夫よ!』
看護師B:『 ・・・(大汗 』
久しぶりにスゴイの居た。
こうして感染拡大は続く・・・